「木材活用フォーラム2019」に参加
- 2019年11月3日
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「木材活用フォーラム2019」に参加
「木材活用フォーラム2019」に参加しました。
ここ数年は毎年参加しています。
木材活用をどのように広げていくか、トップランナーの講演や事例紹介、パネルディスカッションにより共有できるイベントです。
近年、国が中心となって木材の建築物への活用をさらに高めようという施策を進めており、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」や「CLTを用いた建築物の一般設計法」の施行等により、木造化・木質化する機運が高まってきています。
国の重要な資源である森林の循環利用をうまく進めていくためには、木材需要のより一層の向上が求められています。
一方で実際に木材利用を高めるためには、設計者の木材活用を促す情報や各種法律・制度の整備、流通、また、施主が求める経済効率や意匠上の価値向上など、様々な環境整備や情報の伝達が不可欠になってきますが、その点ではまだ充分とは言えません。
木材活用に関する様々な情報を、設計者や施工者、また施主に対して提供するとともに、木材活用を促すための課題を共有し、解決への糸口を探る場となることを目指したイベントです。
芝浦工業大学教授の山代悟氏の講演
タイトルは、
「木でつくる懐かしい未来〜都市木造の可能性〜」
です。
山代氏は、芝浦工業大学建築学部教授で、建築家としてビルディンググランドスケープを主宰されています。
ポイント、キーワードは下記です。
・都市木造
大きな木をたっぷりと使う
繊細な木の使い方
・世界的な木造建築への興味
オーストラリア
木造との混構造
・CLT
・地産地消
・低炭素社会
製造に炭素を排出しない
炭素を貯蔵する
地域 森林環境保全
・都市木造
林業地は建材の需要は少ない
地産都消
・木造の課題
多層構造 耐震設計
防耐火設計
外装設計
・工業化、施工性の向上
工場生産
工事の周辺への悪影響の低減
軽量さを事業性に
・木造建築の事例紹介
江戸川区の動物病院
大分県木材会館
早瀬庵お茶室
大林組様の木造への取り組み
下記のタイトルの講演でした。
大林組の木造への取り組み 日本初の高層純木造耐火建築物「仮称OYプロジェクト計画」
ポイント、キーワードは下記です。
・純木造に挑戦した理由
大林組保有技術の活用
・オメガウッド
1〜3時間耐火に対応可能
シェルターとOEM契約
・剛接合仕口ユニット
・木造普及に必要な条件
建設コストの圧縮
木材単価
・木造の将来ビジョン
ローコスト大規模架構
中大規模木造は新しい構造
木造先進国フィンランド、ノルウェーの最新動向
「木造先進国フィンランド、ノルウェーの最新動向」というテーマでのパネルディスカッションです。
ポイント、キーワードは下記です。
<フィンランド>
・都市部に多くの木造建築が実現
・建設材料の約40パーセントが木造
・木材活用ではなく森林活用へ
・日本と欧州には約10年の違い
・18階建ての高層ビル
・LVLの活用
・CLTの活用
・耐火、水平力、運搬可能サイズの考え方が違う
・LVL、CLTの製作サイズが違う
・日本の気候は北欧より気温が高いことは配慮すべき
・木造建築は基本的にメンテナンスは必須
・建築工事時のCO2排出量への課税から木造がかなり有利
・ストラエンソウッドプロダクツ社のプラットフォームには注目
最も印象的な話は、欧州の木造建築の世界では、
「設計事務所と建設会社のあいだにウッドプロダクツ企業が存在し、その会社が鍵になる」
ということです。
ウッドプロダクツ企業とは、木造に関する設計、調達、製造、加工、構造躯体施工までをワンストップで提供する会社のことです。
日本では、
設計事務所⇄建設会社⇄木造関連企業
となります。
欧州では
設計事務所⇄ウッドプロダクツ企業と⇄建設会社
となります。