「CLTフォーラム2019」に参加

CLTフォーラム2019に参加

CLTフォーラム2019に参加しました。

CLT建築推進協議会と一般社団法人日本CLT協会の共催のイベントです。

CLTの建築もここ数年でだいぶ増えました。

非住宅の木造化の流れからすると、更なる普及が期待される工法です。

個人的にもとても興味がある分野ですので、しっかり勉強してきました。

 

欧州のCLT事例や木造の潮流

Timber Hub AB代表の後藤豊氏より講演です。

以下、講演の要点です。

 

<会社紹介と自己紹介>

・後藤先生は、木造技術に関して行政と産業界、学術界をつなぐ役割を果たすためのコンサルタント会社を経営。

・現在はスウェーデン在住です。

・大学の研究員もされている。

後藤先生の話は初めて聞きましたが、幅広い知見にとても驚きました。

日本人が北欧で木造建築のコーディネーターをされていることも大きな発見でした。

 

<欧州の建築基準>

・1990年代より欧州基準の置き換えが進んでいる

・建築構造に関するユーロコードは、一般的な設計事例を対象に設定されている

 

<欧州での木造建築の潮流>

・サスティナビリティへの関心の増加
木造建築はサスティナビリティの期待大
木造は温室効果ガスの排出量は減らせる

・防耐火基準の緩和
木造建築の階数制限は各国で異なる
欧州の耐火構造は日本の準耐火構造

・新築建築の木造建築率の増加
新築多層住宅建築の木造率はまだ高くない
スウェーデンのビェクショー市は2020年までに公共建築の50パーセントは木造とする

・より大規模な木造建築の増加
2021年竣工予定の20階建てビルの計画あり

・新たな木質材料の利用
CLT生産の動向
CLTの需要は増えている

・木造建築技術の優位性
混構造化が容易
高度な施工精度
短い工期
施工現場での廃棄物が少ない
軽量性
施工時の騒音の軽減
価格競争力ある

 

<建築事例>

・軸組構法
スウェーデンの18階建ての高層ビル
スイスの7階建てのオフィスビル

・枠組壁構法
スウェーデンの集合住宅

・CLT構法
スウェーデンの9階建ての集合住宅
イタリアの9階建ての集合住宅
オーストリアの6階建てのホテル
スイスの80メートルスパンのドーム構造

・LVL構法
フィンランドの美

・混構造
スイスの10階建てのオフィスビル

 

<まとめ>
木造建築の価格競争力の増加
木造建築の実施件数はますます増加
よりサスティナブルな建築材料の選択の必要性
建物のサスティナビリティの認定方法
実務者教育の不足
施工会社の経験値の不足
防耐火性能の担保
耐久性の担保
防音、防振性能の担保

 

三菱地所がCLTを使う理由

三菱地所CLTユニット主事の海老澤渉氏より講演です。

以下、講演の要点です。

 

<CLTから得た新事業の機会と木造化への期待>

・コスト、工期などのリアルな情報が重要

<三菱地所が取り組むCLTプロジェクト>
・下地島空港プロジェクト
日本初のCLTフラットスラブ構造を実現

・泉区高森2丁目プロジェクト
10階建てのマンション
柱、梁は鉄骨造と燃エンウッド
床、耐力壁はCLT
高層賃貸マンションでの木質化検証

<CLT実案件から得られた課題>
・低層建築では工期メリットは出にくい
大規模、大空間、CLT現しはコストが高い

・高層建築では木造メリットが少ない
工事費が高い
木が見えない

・積算コスト

・発注者の求めるもの
安い、早い、付加価値

<進化していくCLTプロジェクト>
・岩本町プロジェクト
CLT利用の8階建てのオフィスビル
鉄骨造梁床CLT用耐火被覆開発
鉄骨造と床CLTのローコスト接合開発

・30階建ての高層ビル

 

CLTが拓く新しい空間

芝浦工大教授でマウンドフジアーキテクツスタジオの原田真宏氏の講演です。

以下、講演の要点です。

 

・他工法と比較して木造にはさまざなイノベーションが起きていて、

「木造で考えること=新しい空間を考えること」

と捉えている

・CLTの良いところは、構造躯体の魅力に加えて、その躯体にそのまま大工仕事ができることです。

・プレキャストコンクリートのような施工性と、木造らしい融通が利くところもCLTの特性。

 

<設計事例の解説>

・CLT構造のアトリエ兼用住宅
小規模の建築で建て方は2日で完了

・CLT構造のモデルハウス
住宅展示場に建てられている

・CLT構造のホテル
離島の海沿いに建つ建築

・CLT構造のオフィス
CLTの最大製作寸法をスパンとした建築

・CLT構造の研修所
CLTとLVLのハイブリッド構造

・CLT構造のホテル
三層をずらして積み重ねた構造

・CLT構造の美術館
壁長2.3メートルのCLTの大屋根

 

他の予定があり、最後のパネルディスカッションを聞くことができませんでしたが、CLTの新たな可能性を感じることができました。

これからもCLTについて学んでいきたいと思います。