「大規模木造建築 欧州と日本 最新情報」講演会に参加
- 2019年3月11日
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「大規模木造建築 欧州と日本 最新情報」講演会に参加
一般財団法人ベターリビング様主催のベターリビングフォーラム事業講演会に参加しました。
テーマは、「大規模木造建築 欧州と日本 最新情報」です。
会場は新木場の木材会館です。東京でも好きな建築の一つです。
ベターリビング岡部さんのプレゼンテーション
テーマは「欧州におけるCLT最新情報」です。
岡部さんは、グラーツ工科大学での研究実績があります。
まずはヨーロッパの木造建築全般について話してもらいました。
日本が災害が多いことも、海外では必ず伝えているそうです。
CLTの振動実験の動画も見せていただきました。
オーストリアのグラーツ工科大学についても教えてもらいました。
師事した教授は、CLTの研究では世界のトップランナーだそうです。
「なぜ、欧州で構造材に木材が利用?」というメッセージもありましたが、実際には組積造が多く、木造は約1割程度ではないかとのことでした。
サスティナブルということが前提であり、必ずしも木造ありき、ではないとのことでした。
木材の規格、樹種の話もありました。
最後に木造建築の事例を見せてもらいました。
老人ホームや学校、商業施設、共同住宅、高層木造などです。
CLTをボックス的にユニットで準備し、現場での施工の省力化、合理化が普及しているそうです。
高層建築では、RC造のメインフレームにCLTを組み合わせることが、有効なのではないかというアドバイスもありました。
東京大学教授の腰原先生のプレゼンテーション
テーマは「我が国の木造建築 近未来」です。
ティンバライズ、都市木造の話からです。
近代木造建築でも、4階建ての木造は存在していたことを教えてもらいました。
大規模木造は、防耐火の問題もあり、平屋の建築で小屋組みを木造で「魅せる建築」という印象が強くなり過ぎている傾向があるという指摘もありました。
小さい林業と大きい林業の話もありました。
木造の歴史を知ることで、これからの普及に活かせる知恵を考えることが重要とのことでした。
1950年の森林記念館が、日本で最初の集成材建築だそうです。
アーチ、山型ラーメンなどの変遷も教えてもらいました。
製材を用いた大規模木造建築の話もありました。
CLTの普及の動きは、10年もかからないで公営住宅に採用されるなど、ある意味で早いです。
木造は適材適所が基本です。
いろいろな工法や用途の中から、より普及しやすいモデルを選んで、それを繰り返し実現するほうが、木造の棟数が増えるという提言もありました。
例えば、中高層木造として、都市部のペンシルビルを4階〜5階で構造モデルを提示し、それをカスタマイズして意匠をまとめていく発想もあります。
他工法との組み合わせで、より高層化を目指すというアプローチもあります。
古い建築の木割のプロポーションを考えると、高層木造で太めの柱で構成されたオフィスビルもありではないかとも思いました。