「伸び盛り企業会議2019」に参加

「伸び盛り企業会議2019」に参加

日本経済新聞社様主催のイベントに参加しました。

テーマはIT導入、サービス品質の向上による生産性改革についてです。

中小企業庁からは、「中小企業施策の展開について」の話がありました。

高齢化、人手不足時代の施策について具体的な話がありました。

中小企業は約360万社あるそうです。

今後、10年間に、経営者が70歳を超える企業は、約245万人となり、うち約半数の127万人が後継者未定だそうです。

休廃業の理由として、業績不振の次に後継者不在だそうです。

休廃業企業の約半分は、経常黒字だそうです。

中小企業の生産性は二極化しています。
稼げる企業と、そうでない企業です。

国としては、中小企業の事業承継を後押しする税制措置を抜本的に拡充する予定だそうです。

法人向けの事業承継税制は事業を継続する前提であれば贈与税が免除されますのでかなり有効です。

第三者への承継、いわゆるM&Aの推進も鍵となります。

マッチング支援のための、中小企業企業事業引き継ぎセンターが全国にあるそうです。

ゼロからの起業はリスクが高すぎるため、成長志向が高い企業に経営資源を引き継ぐことは、双方にとってメリットがあります。

経営者の右腕となる中核人材の確保も重要です。自社で採用、育成は難しいので、副業や兼業の仕組みを活かして大企業など外部の人財リソースを活用する発想が重要です。

現在、民間企業や大学なとがテスト事業として、企業と人財を伴走しながらつなぐサービスを展開しています。

建設業でも、仕事を標準化し、作業を動画で学べるようにするなどの取り組みで、業績を上げながら人財採用、育成に成功している会社もあります。

星野リゾート様 の「サービス産業における効果の出るIT活用の覚悟」

星野リゾート様からは、「サービス産業における効果の出るIT活用の覚悟」の話がありました。

星野リゾート様の久本さんから、星野リゾート様の歴史を振り返りながら、独自の取り組みについて教えてもらいました。

星野リゾート様はキラキラしたイメージがありますが、裏側では泥臭い努力の積み重ねがあったそうです。とても面白い話でした。

キーワードは、下記となります。

生産性のフロンティアを達成する

トレードオフを伴う独自の活動を選択する

活動間にフィット感を生み出す

有名なのは、マルチタスク、ですね。
サービス担当の社員は、サービスに関する全ての業務を担当しています。

ITシステムも、いろいろ活用されています。

生産性と満足度を両立させるソリューションと、組織や人財、仕組みを構成するシステムが重要です。

ITを利用するのがうまい会社、を目指しているそうです。

理想と現実のギャップ、
経営側のコミットの仕組み、
経営判断プロセスの構築もしたそうです。

ITガバナンス構築心得も教えてもらいました。
・経営側が持つべき覚悟
・IT戦略の重要性を自ら理解する
・運用する力を持つ
・実行できる組織をつくる
などです。

中小企業企業かつサービス産業では、人の生産性向上が中心です。

魅力をつくるのは、現場の人、です。

顧客体験をどうデザインするか、という課題にはとても考えさせられました。

禍福はあなざえる縄のごとし、という言葉も教えてもらいました。

 

経済産業省より「IT導入補助金とサービス産業の生産性向上」

経済産業省からは「IT導入補助金とサービス産業の生産性向上」の話がありました。

業務をITに当てはめるのではなく、ITに業務を当てはめるくらいの視点が求められているという問題提起から始まりました。

サービス産業の生産性向上が鍵になるという話がありました。

IT導入補助金の活用や手順についても話がありました。

リビング・ラボという取り組みについても教えてもらいました。

 

「IT導入補助金による生産性向上事例と課題」について

最後に、活用企業の事例を教えてもらいました。

IT導入補助金の価値は下記の3点です。
・サービス産業における生産性向上にフォーカスしている
・一般流通しているパッケージソフトやクラウドサービスが対象
・ITサービス提供者が直接中小企業にアプローチできる

業種ごとのスタンダードな業務プロセスに沿った設計、現場の意見を取り入れている、ことなどがポイントです。

美容室の事例では、クラウドで顧客ごとにカルテを作成してスタッフで共有できるシステムを構築、運用されているそうです。顧客管理、予約管理から会計までのプロセスを合理化できています。

訪問介護サービスの事例では、スタッフの連絡、報告を紙からデータ化に連携できるようにしたそうです。その結果、スマホで関連業務が完結できます。

飲食店の事例では、顧客管理のシステムを導入して、顧客の好みや注意点などをスタッフ全員で共有できるようにしたそうです。

現場の知恵がかたちとなった、業種別の生産性向上の型、を実現できることが求められています。

生産性向上は付加価値を投入労働量で割ったものです。

低稼働と高い付加価値を両立させなければなりません。

ビジネスではリピーターがとても大切です。

サービスの質を高めるためにも、生産性向上は必須です。

城崎温泉の西村屋さんからは、老舗の温泉旅館のIT導入事例も教えてもらいました。

駅は玄関
道は廊下
宿は客室
土産屋は売店
外湯は大浴場
ひとつの旅館
という素晴らしい話を聞くことができました。

予約獲得に必要な4要素があるそうです。
需要(営業)、技能、人手、在庫のバランスを考えて最適化する必要があるとのことでした。

課題を解決すべく、補助金を活用して、シフトコントロールシステムを作成したそうです。

商業、サービス競争力強化連携事業も活用されたそうです。

カスタマージャーニーに基づく「観光デジタルマーケティング」を実践されているそうです。

業種別ITツールのうち、どれを選べばよいかに応えられる支援者、支援体制が求められると思いました。

ITベンダー側は、中小企業のビジネスパートナーとして、わかりやすい説明と使いこなせるためのサポートが求められています。