チカラボスクール:「性能の伝え方」に参加
- 2019年4月26日
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「性能」の伝え方を教わるセミナー
新建ハウジング様が展開するチカラボスクール:「性能の伝え方」に参加しました。
チカラボスクールは、住宅実務者向けのプラットホームとして、学びの場となっています。
実務に役立つコンテンツをウェブとリアルで提供されています。
今回は「性能の伝え方」をテーマに、構造計算、パッシブデザインのわかりやすい伝え方を教えてもらいました。
構造塾:佐藤実氏の講義
佐藤さんは、構造設計事務所を主宰されながら、構造塾も運営されています。
佐藤さんは木造住宅の耐震性確保の最大の問題である「構造計算されていない事実」を改善するためにさまざまな活動をされています。
日本の建築士が構造計算しない理由は、お施主さんが求めてないから、という恐ろしい理由です。
構造計算しないおかしさに気がついていないのです。
車と比較すると、よくわかります。
自動車会社が、お客様が求めてないからという理由で、エアバッグを付けない、ブレーキ性能を上げないという対応をするでしょうか?
建築士の本音は、「めんどくさい」のです。
次に、「安くしないと仕事が取れない」と思っているのです。
そして、「自分のつくる家は最高に良い家という強烈な思い込み!」です。
私の経験では、木造住宅に携わる建築士の大部分は、悪気はあまりないけど、この3つのマインドで仕事しています。
そうした建築士は、優先順位がそもそも間違っています。
建築士の仕事は、命を守る建築をつくることです。
熊本地震の内容
大地震で命を落とすのは、大半は人間です。
それは人間がつくった住宅が倒壊するからです。
熊本県益城町の被災地の写真です。
地震力に対する必要壁量です。
筋交いを入れた耐力壁の住宅は倒壊が多く、やはり面材の耐力壁のほうが有効です。
築年数の浅い木造住宅で被害を受けた原因は、構造計算をしていないからです。
耐震等級3の必要性
耐震等級の違いです。
耐震等級1の住宅は、家族の命は守るかもしれませんが、その家には住めなくなる可能性が高いです。
耐震等級3の住宅は、そうしたリスクを大幅に下げることができます。
耐震等級の選定は、施主に判断させることは難しいです。
大地震が起きてから、耐震等級1の住宅で被害を受けた施主に対してどのように対応するのでしょうか?
耐震等級3を標準とすることで、施主も家も守ることができます。
震度6弱以上の地震は、この20年間で、平均して半年に一度は起きています。
性能をユーザーに選ばせる問題点も指摘されています。
木造住宅はつくり手は「二極化」しています。
耐震、省エネ両方をやる会社と、両方やらない会社です。
伝え方について
「伝わる」とは相手が行動に移すことです。
使命感を明確にすると、想いが伝わります。
第一印象はとても大切です。
ブランディングも大切です。
伝えるには説得力も必要です。
免震、制震、耐震の違いも教えてもらいました。
佐藤さんの話は、難しいことも噛み砕いて解説してくれるため、とてもわかりやすかったです。
パッシブデザインカムホームの木村真二氏の講義
木村さんは工務店の経営と、パッシブデザインのコンサルティングをされています。
自己紹介はとてもユニークでした。
設計やコンサルティング以外にも、商品開発などもされているそうです。
「2020年は淘汰の時代のスタート」ではないかというメッセージがありました。
次の課題への取り組みで生き残りが決まるという話もありました。
<少子高齢化>
量産型と少量生産型の二極化
<住宅の品質と性能の向上>
省エネ住宅の普及が加速
耐震住宅の普及が加速
<働き方の改革>
時短、効率化と、働き甲斐、誇り、社会貢献のバランスです。ブランド力も求められます。
<民法改正>
説明責任
契約不適合担保責任
代金減額請求権
請求権の起算点変更
木村さんの話で印象的だったことは下記です。
・自社のブランド化
・「やりたいこと」と「やれること」は違う
・営業路線と建築路線:営業力のある会社と、建築力のある会社の違い
性能の伝え方の流儀
次に各プロセスごとのポイントを教えてもらいました。
・集客
・初回接客
・セミナー
・事前審査・資金計画
・プラン提出・プレゼン
木村さんが実践するパッシブデザインセミナーのコンセプトも教えてもらいました。
外皮性能値以外の数値の意味を必ず伝えるそうです。
実際のセミナーの内容も教えてもらいました。
計算結果や、各数値が示す意味などを丁寧にお伝えするそうです。
省エネのみを訴求するのではなく、
快適と省エネを両立させることの大切さ、
を必ず伝えるそうです。
いろいろなことが学べた素晴らしいセミナーでした。
新建ハウジング様、佐藤様、木村様、ありがとうございました!