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3年ぶりに復活した「第6回日本エコハウス大賞」の最終審査会を視聴しました。

「視聴しました」というのは、今回はオンライン開催だったからです。

リアルの良さも当然ありますが、オンラインもアリかなと思いました。

(遠隔地から東京に来るのは大変ですし、今回のように台風直撃だと尚更です)

個人的には住宅に関して「真剣さ」と「楽しさ」を感じられるこのイベントが好きです。

住宅・建築実務者にとっては、いろいろな「気づき」を得られる貴重な機会でもあります。

関係者の皆様のご尽力にとても感謝しています。

受賞者の皆様、おめでとうございます!

以下、イベントに参加しながら個人的に感じたことを書きます。

<イベント全般>

・今回の最終審査までのプロセス(応募→審査→ノミネート作品を動画で告知→最終審査)は理想的

→事前に動画で各作品を見ることができるため、参加者にとっても良い学びになる

※ノミネート作品は下記チャンネルで視聴できます。

https://www.youtube.com/channel/UCYybECODU_FMch74c0hBwng/videos

・「大きな壁」とも思える審査員に評価してもらう難しさ

→審査員は各分野のトップランナーであり、応募者は「論破」を最小限に抑える工夫も必要

・審査方法の悩ましさ

→各審査員で当然意見は割れる。一方で各意見も尊重したい。「声の大きさ」で左右はされたくない。となると、個人的には冬のスポーツのような採点方式(審査員の採点の最高点と最低点を除いた平均点で競う)などもあるのかと勝手に思案してしまった。

<実務者目線で感じた「傾向と対策」>

・「ストーリーとしてのエコハウス戦略」の確立が必須

→理論と実践の両立を図りながら、「言い切れる強さ」を持った案が優勢に感じられる

・「ロマンとそろばん」のバランス(やりたいこととコストの折り合いの付け方)

→特にコストに関しては難しい時代になったが、「今までが安すぎた」という前提で議論ができると望ましい。(都市部と地方による価格差もとても大きいので、関係者の中でもコスト感覚の共有は難しいかもしれない)

・良心的な造り手の住宅性能に関しては「デファクトスタンダード(事実上の標準)」が決まりつつある

→耐震等級3、太陽光パネル設置、最適な省エネ設備選定などがマストになる時代

<個人的に良かったと思うこと>

・ノミネートされた作品全てにオリジナルな「キャラクター」を感じられたこと

→多様なプレイヤーが応募されることによる広がりが感じられた

・「エコハウス至上主義」のような極端な作品がなく、自然体な作品が多かったこと

→それぞれの地域や顧客に対して、誠実に向き合っている印象を受けた

・「自分で仕事をつくる」という意識で実践されている実務者の活躍を見れたこと

→住宅・建築実務者が他の専門家と協働しながら変化の起点になれる可能性

<これからの住宅のシゴトについて感じたこと>

・気候変動やエネルギー、自然災害リスク、人口減少等への向き合い方

→今まで以上に自分なりの「問い」と「答え」を持つことの重要性

・地域の課題解決に向けた取り組み

→新築減少からストック活用へと向かう時代における地域コミュニティの再生や継承など

・「住宅=個別な最適解」から「社会のストックとしてのハコ」へのシフトチェンジ

→若い世代による意識変化も生まれており、これからの展開に期待

<まとめ>

今回の「エコハウス大賞」も、いろいろな気づきを得られた貴重な時間でした。

事前にノミネート作品を動画で視聴した結果、

個人的にグランプリとして選んでいたのは、

「南馬込古民家改修」(あすなろ建築工房&鈴木アトリエ)

でした。

(結果は惜しくもグランプリとはなりませんでしたが、リノベ部門の最優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!)

「日本エコハウス大賞」は、

自社や作品の「強み」と実務者の「総合的なリテラシー」を、

かなりハイレベルで両立できていないと、

入賞は難しい領域になっていると感じました。

関係者の皆様、ありがとうございました!

次回も楽しみにしております。

#日本エコハウス大賞