工務店経営カンファレンス2019(Day2)に参加

工務店経営カンファレンス2019(Day2)に参加

工務店経営カンファレンス2019の二日目は、テーマごとにプレゼンとトークセッションの組み合わせです。

 

もるくす建築社様のプレゼンテーション
もるくす建築社

テーマは、「自然の摂理と普遍性のある建築を」です。

金子みすゞさんの詩の紹介から始まりました。

建築計画原論という言葉があります。

今の環境工学のことです。

もともと建築を考えるということは、当然のごとく、環境を考えることだったのです。

都市と地方で、住宅の在り方は違うべきという言葉がありました。

全く同感です。

土地の環境の良し悪しや、設備依存度の高低との相関で、住宅の在り方は変わります。

省エネルギーをやめてみる、という発想もあります。

パッシブとアクティブを比較された分析がありました。

パッシブデザインを
段階的環境維持+能動的生活の促進
という言葉で表現されていました。

ヨーロッパの建築事例も紹介してもらいました。

 

くず不動産様のプレゼンテーション

テーマは、「土地を売るだけの不動産屋から暮らしや街づくりを提案する不動産屋へ」です。

どちらの工務店を目指しますか?という質問から始まりました。

デザインや性能の付加価値と、経営や待遇の両立という本質的なの話からでした。

工務店としての利益だけではなく、別の事業で収益を上げる手法を実践されています。

くず不動産の説明もありました。

街づくりの視点から、家づくりを考えるようになったそうです。

デザインとは問題の解決と考えているそうです。

街づくりの抱える問題点を指摘されました。
無機質化、ドーナツ化、高層化などです。

今、求められるのは、低層化です。

諸悪の根源は、仲介手数料という指摘です。

工務店が不動産業を始めるメリットを教えてもらいました。

街づくりに関われ、クライアントと接点が増え、付帯工事が発生し、設計の幅などが広がります。

全く活用されず放置されている土地は安く取得できます。その分を建築費用にかけることができます。

地域の皆さんで不動産会社をシェアしませんか?という提言もありました。

 

もるくす建築社様とくず不動産様のトークセッション

テーマは、「地を読む」です。

中から外に目を向ける人と、外から中に目を向ける人の両方での立場のトークです。

土地の売主は、基本的に早く高く売りたいわけではないそうです。実務を担う不動産会社が、早く高く売りたいだけだそうです。

施主代理という仕事もしているそうです。

買主のための不動産ネットワークをつくりたいそうです。

いろいろトライアルしている工務店は、立場が人をつくるということで、人財を抜擢されているそうです。

家づくりの未来についても話がありました。

住宅は成熟産業なので、ビジネスとしては課題が多いという指摘もありました。

建築は固定観念で考えず、常に自分の頭で考え続ける必要があるとのことでした。

 

大野建設様のプレゼンテーション

テーマは、「大工を112年絶やさない経営、育成の仕組み」です

埼玉県行田市の工務店様です。
社員約70人の会社です。

大工で創業して112年だそうです。

創業者の理念は、地域密着、建築密着、人密着だそうです。

・家づくりは、細くても永く行え
・家づくりは、一生涯地域を離れない者が行え
・家づくりは、地域をよく知る者が行え

建築密着で、住宅部門、大型建設部門、リフォーム部門に分かれています。

ISO9001を工務店として初めて取得したそうです。

多様・多能=成長、と捉えているそうです。

住宅、非住宅とも、リピート受注が多いそうです。

社員研修では、既知を題材に、人間学を学んでいるそうです。

大工さんは、コストではなく価値、と考えられています。

社員大工が11名、独立した専属大工5名、いるそうです。

採用は工業高校、専門学校、大学などに求人しているそうです。

親とも面談するそうです。

専用の大工育成プログラムがあります。

倉庫で、実際に1棟建てるそうです。

 

すみれ建築工房様のプレゼンテーション

テーマは、「職人不足問題の根治的アプローチとはマーケティング理論に基づいた現場ではマネジメント」です。

代表の高橋さんは、工務店経営しながら、一般社団法人職人起業塾の活動もされています。

全国で大工さん、職人さんの育成に関する活動をされています。

市場縮小、職人不足、情報革命の3重苦の時代です。

これまでは技術力中心でした。

これからは顧客の期待を超える現場マネジメントが必要になるというメッセージです。

建築業は、現場での施工がすべてです。

起業できるくらいのスキルと意識を持った職人がこれから求められるということでした。

 

大野建設様とすみれ建築工房、宮内建築様のトークセッション

テーマは大工育成です。

それぞれの立場で、大工さんの育成について語り合いました。

社員大工は、技術力はもちろんですが、会社としての姿勢を示すためにも必須という意見もありました。

大工さんは工務店の経営の差別化にもなり、武器になります。

大工さんはとても魅力的な仕事です。

これだけ建設職人が激減すると、これからは施工力を持つ会社しか残れません。

 

ネストハウス様のプレゼンテーション

テーマは、「100年つづく工務店を目指して」です。

住宅産業をリピートビジネスにしたい。

ビレッジ戦略を実践されています。

地域工務店の悩みとして、集客、営業力、顧客管理があります。

小規模型の工務店は、プッシュ型ではなくプル型への移行が必須とのことでした。

お客様との接点を増やすためには、カフェやレストラン、家具、雑貨ショップなどを併設した施設を運営されています。

スコープというシステムを開発されました。
日報を書きながら顧客管理ができるシステムです。

スコープの使い方のポイントです。
・ポイントによる行動の追跡
・お客様との履歴の見える化
・お客様への正しい対応の徹底

100年つなぎの会、という団体も発足されたそうです。

 

SOUSEI Technology様のプレゼンテーション

テーマは、「ITが変えていく住宅の未来」です。

SOUSEI Technology様は、

住宅用頭脳デバイス「HOME OS v-ex」

家の情報を管理できる無料アプリ「マイホームアプリknot」

のサービスを展開されています。

ハードとしての住宅、ソフトとしての住宅という分析もありました

住宅業界は自動車業界の動きに似た移行をする傾向があります。

今後の動きの予測です。
・住宅の所有が利用への変化
→家でお金を生む仕組みが必要
・住宅データベース
→ビッグデータによる自社および顧客分析
・住宅流通革命
→住宅の買い方のイノベーション

「買取保証付き住宅」のサービスを開始されるそうです。

 

新建ハウジングの三浦社長のまとめ

経営者に求められるのは、問題設定力という話から始まりました。

非定常時代非定常時代は、経験の無価値化を招きます。

市場縮小これからは市場が縮小します。

5つ組織モデル5つの組織モデルです。

住宅の分類住宅の大きな分類です。

ハウスメーカーの戦略は、機能とコストパフォーマンスです。

コモディティ市場恐ろしいのは、コモディティ化です。

鉛筆の法則「鉛筆の法則」を教えてもらいました。

whatとwhywhatとwhyの話です。

スマホ生活を変えたのはスマホです。

価値観価値観は10人10色です。

ブランドブランドはコピーできません。

シンケンシンケンさんの言葉です。
付加価値率、付加価値額という言葉を教えてもらいました。

ユーザーの意識です。

建てる目的働く目的は?働く意味は?はとても重要です。

 

リクルートの調査では、働く喜びを感じていたのは14パーセントという衝撃的な結果もあります。

ミレニアム世代の意識です。

これからは内的コントロールの時代です。

これからはエコシステムが求められます。

リベラルアーツが重要です。

問題設定力が重要であることを強く認識できました。

ニュータイプ経営者が求められることも痛感しました。

いろいろな経営者の話を聞くことでき、とても勉強になりました。